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舞台『中女優』と安川結花(観劇日 2016.7.14)

https://youtu.be/IghFMxM0vuk 
 
 14日は『中女優』という舞台を
観劇してきた。Lovepunkというグル
ープが行ったもので実に3年ぶりの
開催だそうだ。
 突然題名だけ見て「石附こういう
の観るんだ!」と思うかもしれない
が伏線がある。先日『がむしゃら』
というドキュメンタリー映画を観る
機会があり、そこに出ていた元プロ
レスラーの安川惡斗さんのことが気
になり、10年ぶりに舞台に出るの
で女優としての彼女=安川結花も見
てみたいと思ったからだ。
 スターダムでの安川惡斗を見る機
会はなかったが映画での姿を見たら
「なんで早く見ておかなかったんだ
!」とちょっと後悔した。彼女が現
役のときはスターダムのファンでは
なかったので見る理由がなかった。
 自分と安川さんとの接点はそれく
らいにして劇の中身を見ていこう。
安川さんは新人劇団員の役。中堅劇
団で起きるあれこれを赤裸々に表現
していったストーリーが中心になっ
ていく。
 まあ人間、女性と男性が関われば
いろんなことが起きてくるわけだが
そんな恋愛事情であったり、バイト
事情であったりとかなんで劇団に入
ったのかが織り交ぜてストーリーは
流れていく。時にコミカルに、そし
てシリアスな事情もあり。
 その中で安川さんは新人女優とし
てステップアップしていくのだが、
そこで先に書いたことをいろいろと
いじられながら演じていく。ものす
ごく純粋な女の子の感じがした。
『がむしゃら』を観た後だからかも
しれないが、彼女自身はすごく純粋
な人で裏表がない。ただ「生きる」
ことについてはものすごく貪欲な人
だ。そのキャラクターもすごく生か
されていて興味深く観ることができ
た。
 劇中で男女関係があり、女優が妊
娠して退団して安川さん演じる繭に
その役が回ってくる。一気に中心女
優になっていく。そのあたりが一気
に描かれていったのでチャンスをつ
かむということはこうなんだよと伝
えてくれる。
 他の女優陣の背景も紹介されてい
く。客演専門の女優さんの苦労や中
堅女優陣のいろいろな事情が描かれ
ストーリーが進んでいく。大人の事
情なんかもサクッと入っていたりす
るのだが決していやらしい感じでは
なく自然に入ってきた。そして幕が
上がる。
 そんなこんなで1時間45分ほど
があっというまに過ぎてしまったの
だが、演じるということは生きるこ
とというメインテーマは外さずに女
優たちのキャラクターが描かれてい
った。生々しい?それがテーマなん
だからそれでいいのだ。
 高原秀和という演出家はそういう
生々しい姿をスカッとした形で描い
ていく。決していやらしくない。む
しろ清々しく描いていく。そこが観
た後の爽快感につながっていったの
かもしれない。とてもいい気分にな
った。自分も演じてみたいなと一瞬
思ってしまうほど引き込んでいった。
 劇の前に配られていたパンフレッ
トの中には『私の女優人生』という
ことで劇の紹介がされていた。本橋
由香さんは「理解不能」と表現して
いた。「人生の延長線上にある」も
のと表現されている人もいたし、挫
折の末にあったのが女優だったとい
う人もいた。
 興味があったのは当然安川結花さ
ん(女優としては結花さん)。彼女
は「分からない。昔の私とは違う。
だからこそ、昔とは違う。違うから
こそ、そこに試練がある。私は女優
? 女優人生は始まったばかり」と
述べていた。彼女にとっては10年
ぶりの舞台。昔の自分とは違うだろ
う越えるものもある。だから言える
のだろう。
 人それぞれの女優像があってしか
るべきでそれを表現していたのが、
この『中女優』なのだろう。大女優
じゃないけど等身大の自分の姿。そ
れをどこまで活かしていくかそれが
この舞台のテーマなのだ。
 それぞれの人生を描き切ったこの
作品は一見バカやってるみたいだけ
どそれだけじゃない何かがある。人
の人生だけストーリーがある。それ
がたまたま女優だったということだ
ったわけだ。
 女優を続けるもの、辞めていくも
のいろいろ。それぞれの人生を歩ん
でいく。そこで劇は終わる。みんな
がそれぞれのハッピーを見つけて終
わる。繭は女優として歩んでいく。
繭=安川結花としてみると彼女への
応援歌のように見えた。
 安川さんは昔とは違う。今を生き
て、活きている。その姿を見せるの
にふさわしい高原秀和の演出だった。
 新たな人生のスタートには自分の
今をさらけださなきゃいけない。そ
れができたのが好演につながったと
言える。『がむしゃら』でさらけ出
し『中女優』で再出発できた。
 なんだかこの舞台と安川結花(惡
斗)が切り離せなくてそれがテーマ
になってしまった。女優・安川結花
は始まったばかり、大女優になるか
『中女優』になるのかは今のところ
分からない。それを見守っていきた
いなと思った。 

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